それは唐突に始まった…親の介護
1年前、高齢な母が肝臓がんのステージ4であることが発覚。
ガンを切り取るような手術はできないけど
肝動脈塞栓術とか肝動注化学療法というカテーテル治療はできる、
と言う事でその方法を選択。
私は2年前に肝臓がんと肺がんを併発した友人を失ったし
その時から、ガン治療してる人達のブログを何十人分と
読み続けて来たので、この時は漠然的に
「あぁ、うちの母も最後はホスピスかな…」と
なんとなく想像しながら覚悟を決めていた。
けれど、事態は想像してなかった違う方向に。
今年3月下旬、何度目かの肝動注化学療法を受けて
退院して来た母の様子が少しおかしかった。
物忘れが酷く、言動も時々おかしい。
でもまぁ普通に会話や生活もできてたんだけど
そのうち、尻餅をついて背骨の圧迫骨折をしてしまった。
しばらく整形外科に入院となったのだけれど
物忘れぐらいだった母がこの入院を機に
言動がもっとおかしくなった。
看護師を警戒し、病院食や水も警戒し、
一切口にしない日が続く。
もちろん薬も飲まない。
整形外科から他の病院に転院を勧められたり
あまりに何も口にしないので、
「このままでは退院予定日までもちません」
と言われたりで急遽、いろいろ頑になっている母を
自宅に引き取ることになった。
こうしていきなり想像もしてなかった
高齢でガンで痴呆気味な母の
自宅での看護&介護の日々が始まったのです。
ここのブログに介護日記のような
詳しいお話を書くつもりはないのですが、
親が末期がんと聞いて、その時想像してたのと
全然違う方向にあっという間になったので
こんな事もあるんだよ〜という話として書いてみました。
まぁこれは実家での出来事なのですが
実家には拡張型心筋症なのに割と元気な高齢父と
独身長男(弟1号)が居て
会社員の弟1号は3ヶ月の介護休暇を会社に申請。
母の介護保険の認定手続きもして
ケアマネさんも決まって介護用ベッドもやってきて
家の中がそれらしくなりました。
でも、通い介護の私も含めて全員シロウトなので
なんだかさっぱりわかりません。
私は母が自宅に戻った翌日に行ってみたんですが
その時母は退院時に着ていたいわゆる“よそゆき”風な
服を着たまま(厚手のズボンも履いて)
ベッドに横たわって毛布と羽毛布団を掛けてました。
(結構暑い日だったのに)
なぜそうなのかというと、
母の背骨の圧迫骨折がまだ治ってなくて、
誰が外したのかコルセットもつけていません。
ちょっと身体を動かしただけでもすごく痛がるのです。
しかも、“痛い事をされると警戒して頑になる”ので
また水を飲まなくなったら私達が困るので
もう触る方はビクビクです。
介護って、清潔な服を着せたり身体を拭いてあげたり
オムツを交換したり、食べ物をたべさせたり、、、って
想像してたけど、第一関門はなんと“着替え”でした。
弟1号と「どうやってやればいいんだ?」と途方に暮れます。
私なんか案外あっさりしてて
「そうだハサミで今着てる服切っちゃおか!」とか
(それじゃ着せる服はどーすんだよw)
言い出すんですが、弟1号は「いやいやいや」と
案外根気よく少しずつだましだまし脱がせていったりする。
私は感受性が人一倍強いので、あんまり痛がる人を見ると
自分が先に倒れちゃったりするもんだから
母が「イタタタタタ」と唸りだすと
私の方が「ヒィィィィー」となって隣の部屋まで
逃げ出したくなる始末
それと結構大きな問題も発生。
実家では弟1号と料理ができるなにかとマメな高齢父が
介護にあたるつもりだったのに
いざ始めてみたら、母が長男ベッタリになり
(長男の言う事しか聞きません)
父を寄せ付けません。
寄せ付けないばかりか父には暴言を吐く。
老老介護で最後まで面倒見ようと張り切っていた父は
心折れて心臓病悪化するし
母にはなんとか着替えさせられてもまだ身体拭けてないし
なんかね、なにもかも想像してたのと違うんですわぁ┐(´-`)┌
でもね、想像してなかったもうひとつの事として
このなにもかも初めて経験を母以外の家族で同時に体験すると
なんだか必死に助け合って家族の絆みたいなのが
芽生えそうになってる気配も感じられる。
(ま、そうでなきゃ乗り越えられない事なんだよね)
幸い、うちの姉弟は全部で3人。
一人は遠方だけど、遠方は遠方なりに
参戦の方法があるだろうし
子供の時以来の「ねーちゃん!」とかいう呼びかけを
聞きながら大人になった3人で一生懸命
“初めて”に立ち向かっていくのもなかなか良いかな…
と、ちょっと思ったりもする。
ピリピリしてたり疲弊したり、不満が発生したり
喧嘩になったり、といろいろあるだろうけど
乗り越えれば確実に家族の絆が強まるんだろなと
今は明るく考えたい。
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コメント
こんにちは
介護、大変ですねえ。
我が家も現在老老介護でなんとかしのいでいますが、いつこのバランスが崩れるのか、
気が気じゃありません。
その日はいずれ来るって覚悟しているつもりでも意外と出来ていなかったりして。
まあ、あまり先のことを考えて深刻になると自分の身が持たない気もしますので
なるべく前向きに、明るく、やっていこうと思うのですが。
僕らの世代はみんな直面している問題なので励まし合って乗り切りましょうね。
投稿: enos | 2016年4月25日 (月) 11:18
>enosさん
コメントありがとですー(^-^/
ホ〜ント、いつかはうちもかなぁ?と思いながらも
人ごとだったんですね。
もう気がついたらこんな事になってる!?
みたいな(^.^;
母とは長くて暗くて大きな確執があったんですが
なんかもうそんな事言ってられない段階みたいw
まぁ弟たちが居るからなんとか、できるんですけどね。
励まし合いのお気持ち嬉しいです。
本当に励まされます。
よろしくです。
投稿: 兎夢 | 2016年4月25日 (月) 22:39
お疲れ様ですー。ウチの祖母に似たような状態で、一昨年から去年にかけて父と(主に介護をしていた)母が相次いで事故ってしまう(挙げ句、父は3ヵ月入院)…という非常事態になり、ニワカ介護担当として大変でしたー。
で、「餅は餅屋、介護はプロに」が、介護される本人にとっても、介護する家族にとっても良いと思いました<丸投げではなく、出来ないことはやってもらうって意味で。
一応、ユマニチュードや介護の基本(各種申請とかも含む)、認知症や老人心理を独学で何とかし、ケアマネさんや介護施設の方々と相談しながら、ニワカなりに頑張ったんだけどねぇ…もう、全然プロは違うわ、って。
何せ今まで経験したことがなく付け焼刃なもんで、心が折れることがしばしばあるんだよね。ホント、泣きそうになったことも。
でも、プロの知恵と技術を借りること(ついでに盗んで)と、地域の皆さんや(事故ってるけど)家族のおかげで、何とかなりまし…いや、何とかしました<あくまで個人の感想です。
これから色々大変だけど、助けてくれる人は絶対にいるから。
投稿: みう蔵 | 2016年4月25日 (月) 23:02
>みう蔵さん、おひさです〜(^-^/
コメントありがとうございます。
そうか、去年までにもうすでに体験してたのか。
お疲れさまでした。
両親のときはもうそんなに慌てないかもね。
うち、背骨の圧迫骨折がネックになってます(^.^;
嫌がる事をした人は当人に二度と触れなくなる仕打ちが返ってくるので…
上に着てた服はなんとか脱がせたけど、肌着まではまだいってない
頼みの綱のヘルパーさんにもまだ拒絶してるし。
っていうか、このままだと床ずれも発症するんでは????
と、なにもかもわからない。
まずはこっちが少しずつ慣れていって、うまい事出来る人を上手に探して
習う事ですね。
「これから色々大変だけど、助けてくれる人は絶対にいるから。」
↑
コレ励みになります!!!!
ありがとー
…
ところで、両親が相次いで事故????
そっちもいろいろ大変だったでしょうに
今はどちらもご無事に社会復帰されてるんでしょか?
投稿: 兎夢 | 2016年4月26日 (火) 13:54
おかげさまでー。今は二人ともピンシャンしてます。
一昨年の夏に父が自爆事故で骨盤骨折してー(何でも3人に2人は助からないそーだ)、家を離れられない母に代わって連日のお見舞い→帰りは実家寄って…の間に、母が階段から落ちて左手を10針縫う怪我。そして冬には、祖母が大腿骨骨折で入院。去年はー、夏に父が鼠径ヘルニアで入院・手術、冬には母が脊椎圧迫骨折…すごいでしょ?
これだけ続くと、もう色々と達観すると共に…なーんか記憶がないんだよね。
とにかく介護は声かけと観察と忍耐!! 何かする前に必ず「○○するからねー」と声をかけ、行動中は表情を伺い、拒絶や文句を言われても耐えるのみ!! 基本、言葉の通じない赤子に接するように!!…と、もうそれは呪文のように。
家族の介護が厳しくなってきたときは、ショートステイだけでも利用すると精神的に楽になりますよー。
投稿: みう蔵 | 2016年4月26日 (火) 17:54
あぁそういえば、お父様の事故の話は
当時聞いたような気がします。
その後に、そんなにいろいろ続いていたとは…
世の中、思いもしない事が結構発生するのね。
交通事故と階段には気をつけ...たい(^.^;
投稿: 兎夢 | 2016年4月27日 (水) 19:24
こんばんわ!お久です。
こりゃ大変な状況で、目に浮かぶような情景が伝わってきました。
ちょっと専門家の介護士の話としては、
本人はもとより、周りの人たちもみな共倒れにならないうちに、ケアマネさんにも相談して、何か最善の方法を考えてみませんか?
家族には愛はありますが やはり介護は専門家にお願いできればベストと思います。
愛と忍耐では乗り切れるものではありません。
ショートの利用とかケアマネさんに相談してみませんか?
お風呂とか体の清潔もそうだし、食事の事や身体的圧迫での褥瘡など考えれば危険なことがいっぱいです。
投稿: かのんべ | 2016年4月30日 (土) 00:12
>かのんべさん
おひさです〜(^-^/
自宅に来てから1週間目にてやっと一番下に着ていた
肌着を私と弟1号で交換する事ができました
着替えも身体拭きも顔拭きもヘルパーさんにはまだやらせません。
…お風呂って
何日ぐらい入らなくても人って大丈夫なんだろか(遠い目)
近いうちにヨロシクです!
投稿: 兎夢 | 2016年4月30日 (土) 18:52