カテゴリー「イソジン浴」の2件の記事

クラウンローチのイソジン浴

イソジン浴についてはココが本家なので試されたい方は
そちらも必ず一読していただきたいと思います。
それに付け加えて熱帯魚であり薬浴に弱いとされている
クラウンローチに対するイソジン浴の手順を書いておきます。

まずはクラウンローチに対するイソジン浴の考え方ですが、
まったく同じというわけではありませんが考え方のイメージとして
ヒトでいう「抗がん剤治療」だと思ってください。
菌を退治してくれる力が大変強いのですが、
それゆえ本体に与えるダメージもあるのです。
なので、その時の病魚の状態に合わせて投薬量や時間を
慎重に決めなければなりません。
病気の状態が重いと1回で治らない場合もあります。
そんな時は時間をあけて何クールか行う可能性もでてきます。
魚本体に負担がかかるものなので、なるべく少ない回数で菌を
撃退してあげたいので、薬水を作るときは正しく作りましょう。

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カラムナリス菌によるエラ病を完治させた体験をもとに書いてます)

カルキを抜いた真水槽をふたつ必要とします。
●まず、ひとつに病魚を隔離します。
 もともとの飼育水には病気の元になった菌が居るのでなるべく
 新しい真水にしますが、水質が飼育水とかけ離れてる場合は
 病魚の負担を軽くする為に飼育水から慎重に水合わせをしてください。

●病魚が落ち着いたら水温を序々に25度〜26度にします。
 これはカラムナリス菌の場合であって、白点病の場合は28度以上にします。
 この温度はとても大切なことなので絶対間違えないようにしてください。

●同じ水温で薬浴水を作ります。
 大事な事→用意する真水は不純物のない新しいものです。
 (病魚が複数居る場合、めんどうでも1匹ずつその都度あらたに
  薬浴水を作って別々にやりましょう)※これらの理由は
 ひとつ前の記事のルキノさんのコメントに書かれています。

 実際やってみた兎夢としてはクラウンローチには真水1リットルに
 イソジン液2滴が良いのではないかと思います。
 イソジンは直接薬浴槽に振り入れないで他のコップ等に2滴落として
 それを薬浴槽に溶かし込むと良いでしょう。
 (直接2滴落とし込もうとすると失敗することがあります)

●イソジンの薬浴槽に病魚を入れて様子を見ながら5分間薬浴させます。
 とても心配で一挙一動に心臓がバクバクしてしまいますが
 分量を間違えてなければ5分間ぐらいなら案外大丈夫です。
 (でも嫌がる時は早めに切り上げてください。主治医はアナタです)

●5分間たったら綺麗な真水に戻します。
 この時は元の飼育水が一切入ってないほうが良いと思います。
 目には見えませんがイソジン浴によってあちこち炎症を起こしてる
 可能性があるので水槽菌が居る場所にはまだ戻さない方が良いでしょう。
 抗がん剤治療でも治療中は白血球が減り免疫力がグンと下がります。
 そういったことと同じ状態だと思ってください。

●静かで落ちついた環境で回復させる。
 しばらくじっとしてるので良い環境で休ませましょう。
 12時間ぐらいすると動きだしてくるので様子を観察できます。
 寧々の場合は3回目のイソジン浴の後、初めて背びれが全開で立ちました。

 予後が良好であっても5日〜1週間ほどはこの綺麗な真水での隔離を
 お薦めします。
 寧々を見てて、イソジンによって炎症を起こしたと思われる所の回復に
 4〜5日かかったように見えたからです。

 観察の結果、もう一度必要と思われるときは
 24時間以上あけて再度挑戦です。
 カラムナリス菌の時は、水温を26度以上にあげないよう
 待機中も気をつけてください。
 過剰なエアレーションも要注意です。
 (PHが上がるうえ、カラムナリス菌が充分な酸素を喜ぶ)

 ※但し、寧々の場合3度目の薬浴が終わってもすぐにエラの動きが
  治ったわけではありませんでした。エラの動きが正常になったのは
  1週間以上経ってからだったと思います。
  しっぽや口にも感染していたので、そちらの回復具合と寧々の
  元気具合を見て、エラの動きがまだ早くても完治に向かってる、
  と判断しました。

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 闘病生活一ヶ月間を経て...

 いろいろ調べてわかったりこの目で実感したりして学んだこと
 ↓
 ★カラムナリス菌が喜ぶ環境★

 ○あったかい所(特に27度〜28度)
 ○充分な酸素がある所。
 ○薄い塩分がある所。(0.5%以下の塩分)
 ○PHが高くてミネラルたっぷりな硬水。
  (エアレーションやマリンソルトに注意)

 ということで、寧々はイソジン浴の後は今までより
 水量を増やした水槽で常時水温25度に維持して
 これにより溶存酸素量が増えたのでエアレーションをやめ
 ピートとハンノミを使ってPHを下げたお水を
 たくさん作っておいて頻繁に水換えをして、
 カラムナリス菌の復活の阻止に務めました。


 エラ病を認識した時からこれを確実に実践していたら
 寧々の闘病生活はもっと短期間だったかもしれません。
 (意外と難しく一度でも失敗すると菌が爆増するのが水温の維持です)

 イソジン浴のことを“抗がん剤治療”のようなもの、と書いたので
 とても恐ろしい治療のような印象を受けたかもしれませんが
 クラウンローチにとってエラ病を発症してしまったら
 それは死に至る病だと言って過言ではないでしょう。
 イソジン浴の良い所は“短時間”で済む治療だということです。
 それは薬に弱いクラウンローチにとって非常に適した治療であって
 量を間違えなければ、成功の確立がグリーンFゴールドよりも
 はるかに高いものと実感しています。

 画像を見ておわかりだと思いますが、寧々はかなりギリギリの
 所までいってしまいましたが、その状態で3度のイソジン浴に
 耐えてくれました。そして現在の健康を取り戻した姿があります。
 みなさんも勇気を出して正しい薬浴で助けられるコを
 ぜひ助けてあげてください!

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寧々の闘病生活(14)最終話

ちょっと間が空いてしまいました。
8月はなにかと忙しかったんですが記事を書こうとすると
小炭のことを思い出して悲しくなっちゃたりでちょっと躊躇してる間に
身内が入院したり、、、、今度はヒトのお世話をしたりしてます...
....寧々と同時でなくてよかったわぁ(つくづく)

そんなこんなで時間を見つけてはちょっとずつ書き出したりしてたのですが
保存に失敗して記事の半分が急に消えたり!(悲)
寧々が生還できた大事な記事なので早く書きたかったんですが
こんなに遅くなっちゃって....m(..)m
催促もせず、そっとしておいてくれた皆さんにも感謝しつつ
たぶん長文になると思う寧々の闘病生活の最終話を書きます。
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これは今から一ヶ月遡った8月3日からの続きです。
現在の様子ではないのでご注意ください。

約一ヶ月近く,薬漬けになったり塩漬けになったり...で
すっかり皮膚の色もくすんでしまいヒレもボロボロの寧々です。

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カラムナリス菌にエラだけでなく、ヒレや口にも進撃されて
とうとう自力で餌も食べられなくなり、そして動けなくなって
死に行く魚になってしまった寧々でしたが、
小炭や寿々たちの力を借りながらなんとか再び排泄物を見ることが
できるぐらい食べさせることに成功し、寧々が必死に粘ってくれて
兎夢に再びチャンスをくれました。

...とはいえカラムナリス菌にここまでやられてしまっては、
もう生半可なことをやってる余裕はないということがさすがにわかります。
ヒレの破壊具合を見ていると今では1分1秒までもが貴重な時間です。

今すぐに手を打たねばならない....
ココまで来ていったい何が効果的なのか....

この一ヶ月間の寧々の様子を画像を見ながら必死になにが良かったか、
なにが悪かったか、思い出しながら頭の中を整理しました。
今まで病気治療の経験がなかったので逆に情報が多すぎても
「混乱」が発生します。とにかくこの一ヶ月間自分で
見て、やって、感じたこと、を大事にしながら考えをまとめました。

そうすると、もうグリーンFゴールド等は使えないと思いました。
“寧々本体にも負担がかかる上にカラムナリス菌の進行を
 ちょっと押さえるだけで撲滅させることはできない”
と、わかったのでここでまた同じことを繰り返すことは無意味です。
しかしそれ以外の薬を手に入れるには時間がかかりすぎます。
どうしたものか考えていた時になんとタイミング良く
“イソジン浴”の情報がコメント欄よりもたらされました。
aquartistさん、ありがとうございました!)

イソジンのことは知っていたのですが「薬に弱い」と言われてる
クラウンローチにはまったく無縁のものと思い軽く読み飛ばしていた
程度だったのですが、今回再びこのHPを訪れてよく読んでみると
なんと、うろこの立派な金魚さん達でもエラ病となるとやっぱり
グリーンFゴールド等は進行をやや押さえる程度で完治させることが
できない、と書いてあり、そしてそう判断された方が考え出した
“イソジン浴”だったのですね。
以前読んだときよりもこの一ヶ月を体験してから読むのとでは大違い!
書いてあったことに激しく共感し、イソジンという薬は怖かったものの
たった5分間という短時間浴が今の寧々に耐えられるギリギリの所では
ないかと思えたのです。

ということで、8月3日の夜やりました。

HPには1リットルにつき2〜3滴のイソジンと書いてありましたが
寧々はクラウンローチの幼魚なので1滴にしました。
時間は寧々の様子を見ながら5分以内もありえるな、と
タイマーを置いて慎重に見守りました。
思ったほどのヘンな動きはなく、寧々はしばらくすると
全部のヒレを広げたりして、そして滲みたのか(?)
エラ洗いなんかし出したり、、、
いや、こっちは寧々がちょっと動く度に心臓が口から出そうになりましたよ!
初めてのイソジン浴、ドッキドキでした、、、、。

70804nene

無事に5分間を終えて
塩浴のインタンクに寧々を戻した時には
全身汗びっしょりでグッタリしてた兎夢
なのです。
で、寧々は特に変わったこともなく
今までと同じく写真のように
ひたすら耐えてます。

汗かき過ぎたので水分補給しながらHPを見てイソジン浴のおさらいをしてたら
とあることにハタと気づきました。

あ。

間違えてる....(-_-;)


HPには「カルキ抜きした真水にイソジンを.....」と書いてあるのに、
兎夢は寧々が居たインタンクの塩水と新しい塩水を合わせた塩水に
イソジン入れてました。
いや、塩水も真水もたいした違いないんぢゃ?って思いがちなんだけど
ルキノさんがまたタイミング良く書いてくれたコメントに
こうあるではありませんか。→「(イソジンの)殺菌力は水中では
ヨードの量によって殺菌力が変わりますが、当然、飼育水中には
有機物が多数浮遊している為、有機物の量によって有効性が不安定
もしくは効果の無い可能性があります」
←意味、わかりました?
えとですね。
寧々が居たところの塩水を入れたってことはですね、
ここに数えきれないぐらいのブラインシュリンプも一緒に
入っていたのですよ(^.^;

これぞ多量の有機物〜!(だよね)

ルキノさんのコメント読んだ直後だったからブライン達見て
なんか頭に引っかかるものあったけど、イソジンの量とかの方に
気がいってて別にいいや、ってなっちゃったらしい。

イソジン1滴で大量の有機物.......き、効かないかも(_ _。)

こんな大事な時にミスをするなんて。でもHPを良く読むと
「効かなかった場合は24時間以上間をあけて再び挑戦」という
救いの記述もあり。寧々の様子を見ると特に良くなった感じもなく...
でも悪くなってしまった様子もないと思われるので
真水にイソジンで再チャレンジすべく体力の回復を待ったのです。

70805sui_2
そんな寧々を励ます仲間達→
寧々はあまり動けないけど仲間達が周りに居ることは“安心”につながってるようです。



70806neneそして8月5日の夜に
再び5分間のイソジン浴をしました。
今度は、真水に2滴です。

塩水のインタンクに戻って
再び耐える寧々。


(周りのツブツブはブラインシュリンプです)


70806sui01

そして
励ます小炭.....



70806sui02_2

..と、寿々。

 



寧々はグリーンFの時もそうだったけど 薬浴すると、薬に対抗(対応?)
するため無駄な動きを一切やめてじっと動かなくなります。
たぶんほとんど“眠る”状態に近いものだと思うんですが
先に使用したグリーンFゴールド等の時には、この大切な時に
激しいチック症状が出てしまい“眠る”状態になれず
どんどん体力を消耗してしまったように思えます。
イソジンではチックがまったく出ないのでよく休めたようです。

そして2日目〜!(8月7日)

70807nene01
なんと!
ひさしぶりに背びれが少し立ちました!!!
(なんだか背びれは半分ぐらいに細くなってましたが)

.....がエラの動きは変わらず早いままで、しかし口元に今まで見なかった
クレーター状のものが発生してました。
イソジンの副作用なんでしょうか。
気になりますが、なにしろ寧々の様子が今までになく良いのです!

70803nenetail2 70807nenetail02

しっぽの写真も撮って8月3日のと見比べてみると
削られていくばかりだった細胞が復活の兆しを見せてます。
今回は真水がよかったのか有機物が最小限に押さえられたのか
2滴が良かったのか2度目だからか、確かに“効いた感じ”がしました。

が、エラの早さは変わらずなので今後どうしたものか様子を見ながら
考えます。と、思ったもののこの一ヶ月間したたかに進撃を繰り返された
カラムナリス菌に対しすっかり激しい恐怖と敵対感があり、
なんとかこのまま“一気に畳んじまえ!”的な勢いが兎夢に湧いてきて、
このままのんびり様子を見て細菌に復活されないようやっぱりいろいろ
「一気に!」といきたくなりました。

寧々の顔が“死に行く魚”の顔でなくなり“生きる魚”になったので
このまま“生きる細胞の本能”を一気に目覚めさせたく
寧々槽の水を塩水から真水に変えることにしました。
真水のイソジン浴の時、塩水からいきなりポチャン!でも
寧々は平気だったし、かえって気持ちよさそうだったこと。
それともうこの頃には塩水の効果に何も期待してなくて、
(逆に薄い塩水はかえってカラムナリス菌にとって居心地が
 良いのではないかとさえ思い始めていました)
それよりも寧々の身体の本能に期待したかったからです。

2日前から差し入れしていただいたハンノミや水草や貝を入れて
お日様にも当てたりしながら作っておいた真水で、
寧々に楽しかった以前の水槽ライフを思い出してもらって
それぞれの細胞に生きる力を漲らせたいと思いました。

ぢゃ、真水に行きますよ、ぽちゃん!
(薄い塩分経由の水合わせも、もうしません)

.....という前にもう一度念のために1滴3分間のイシジン浴をしました。
このあたりは(3度目のイソジンが)本当に必要だったかよくわかりませんが
いかにカラムナリス菌の復活が怖かったか、の現れだったと思います。

70807nene028月3日〜7日までに
3度のイソジン浴を体験した寧々。

またまた耐える寧々。。。

 


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そして10時間ぐらいすると、
なんだか活発に動き出して...

 

 

 

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口が治ったらしく
今まで自力で食べられなかった
テトラミンをバリバリ
食べ始めました!

 

 

70809nenetail02_2
2 回目直後の時より一旦はヒレ先や口元のクレーターが白くなってしまい、もしかしたらカラムナリス菌の復活か?!とか、それともイソジンで荒れてしまって真 水の中に居た普通の水槽菌にやられてしまったのか?!とか、とても心配したのですが、それは1日ごとに良くなっていき、4日ぐらいですっかりなくなりまし た。

 




70809nene

そして....3度目のイソジン浴から2日後の8月9日。
背びれが完璧に立ちました!

ひさしぶりに広がった背びれを見たら二ヵ所も穴が開いてたようです。
しかしすでにココも
回復開始の兆し。


       
寧々はエラの早さは変わらないのだけど、ガンガン食べて
みてる間に元気になっていきました。

70809sui03_2

小炭は夜行性で、昼間はぼ〜っと寝てることが多く...
↓13時46分に撮った写真では寝てました。

70809sui
寝ている小炭の横に自分から同じ角度で並んでる寧々。

この日、だんだん元気になってきた寧々がガラスを掘って小炭の所へ
行きたがる様子を何度か見たので明日は様子を見ながら一緒にして
あげようと、と考えてました。
その時はどんなにか2匹が喜ぶだろうと想像して思わずにやにやして
しまうほど楽しみでした。
小炭はカラムナリス菌に強いうえ、しっぽがすぐに反応してくれるので
寧々に菌が残っているのか良い目安にもなるのでまだまだ頼りにしてました。

夜6時頃、元気になった寧々を見てやっとひと安心しながら
兎夢はとても嬉しい気分で外出しました。
夜の7時頃は2匹とも活性が上がる時間でしたね。

この写真が小炭との最後のツーショットになりました。

 


この後、寧々の確実な回復のためにいろいろ工夫しました。
それは「寧々のリハビリ生活」として今後の記事に書きますね。

↓あ、そうそう。現在寧々のしっぽはおおむね治ってます(^o^/

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色は入ってませんが形は元通りです。
(もうじっとしてないので撮影が大変です)

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9日から回復始まって約3週間でこんな感じ。
予想してたより早い回復でした。

 

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