実は...の秘話。
前回の闘病記では、ここぞ一番の手を打たなければならない
窮地に
追い込まれた感じで終わってましたが、
実は今回の闘病生活の中で
兎夢が一番の大窮地に追い込まれた場面は
もっと前にありました。
それはずっと読んでた方には薄々わかるかと思いますが7月30日、
寧々がとうとう何も食べなくなってしまってから2日目の日です。
ブログに載せてる画像は兎夢自身の士気を煽るため、
そして絶望より希望を見つめたいため、
比較的寧々が元気そうに見えるものばかり載せていました。
実際はもっとずっと酷く「あぁぁぁもうダメかもしれない」と
思ったこと数知れず。
でも小炭に励まされ、踏ん張って踏ん張ってがんばってきたけど
生き物が“食べ物を食べなくなったら”お終いです。
死へのカウントダウンが始まったようなものですね。
実際見てる間に寧々は死に行く魚になって行きました。
この時は本当に辛かったです。
とにかく今の寧々に何をしてあげられるか、必死でした。
そして、必死の中で考えた策がコレでした→
前回はこのことを書くのをためらったので省いてしまいましたが結果が良と出たので報告いたします。
食べる意欲を失ってしまった寧々に仲間の肌に触れて生きる実感を再び感じとって欲しかったのです。しかしすでに小炭の体力にはまったくかなうわけもなくチキノシされた瞬間に逝ってしまいそうな細々とした命の灯火でした。
なのでそっと黙って静かに寄り添ってくれる健康な仲間、寿々をピックアップしました。
これはある意味大変危険な行為です。
なぜなら寧々の病気が細菌感染症だからです。
寿々にも移る可能性が多いにあるのです。
でも兎夢は過去のカラムナリス菌騒動の時の記憶に賭けました。クラウンローチのエラに取り憑いたカラムナリス菌は悪夢だったけどクラウンローチ以外の小炭やステルス君たちにはちょっとヒレが一部溶けただけで特に重大なことにはならなかったのです。
もしまんがいち移ってしまってもすぐに治療に入れば寧々ほどのことにはならないできっと軽くすむだろうと信じました。いや、移っても絶対治してやる!との決意と覚悟です。
そしてもうひとつ、情報が多くなってきて混乱し始めていたので現在の寧々がいったい何の菌で苦しんでるのかもう一度再認識したかったということもあったのです。
つまり一緒にした寿々がもし感染してもヒレの一部が溶ける程度で済めば去年と同じカラムナリス菌であるということが兎夢的に確信できるのです。
まぁそんなわけで、同期生の寿々にそっと入ってもらいました。(ステルス君を選ばなかったのは、薬物アレルギーの疑いがあってまんがいちの時の薬浴に不安があったためです。)
期待通り静かに寄り添う寿々。
久しぶりに仲間の感触。
寧々も喜びました。
動けない身体で這うように身を寄せてました。
そして、再び餌を食べる意欲を見せて兎夢が必死にうるとらみじん切りの赤虫やブラインシュリンプを口に入れてやってその後の薬浴につながったことは先に述べてる通りです。
寿々に入ってもらったのは、24時間だけです。最初からそのつもりでした。
幸いこの24時間で寧々が食べる意欲を見せてくれたので本当に良かったです。
で。
24時間後に取り出した寿々をさっそく虫眼鏡と画像を駆使して身体チェックです。
さっそく背びれの一部が溶けていました。
まだ軽症ですが去年のステルス君とまったく同じヒレの症状です。
これでやっぱりカラムナリス菌なんだ、と確信。
と同時に0.5%濃度の塩浴には殺菌力がないことが立証されました。
これは具体的に言うと、病魚が出てとりあえず塩浴しようとした時、病気かどうかわからない仲間達も一緒くたに入れてしまうと結果的にはみんな移ってしまうということです。
みなさん気をつけましょう!
そしてもっと驚いたことに寿々の鼻の辺り(ヒゲの付け根あたり)が白くプチっ!と腫れてたのです。虫眼鏡でよーく観察しないとわからないレベルですが、確かに入れる前にはなってなかった様子が発生していました。
「ええーーー!そんなとこ怪我してたの?!」
そういえば寿々はヒゲが短くなっちゃってたんだっけ。
長い事見慣れ過ぎていて怪我してる実感がなかったのです。
ちょっとビビリましたが何はともあれ早期治療です。
で、さっそくアウトタンクでグリーンFゴールド規定量とメチレンブルー系の
グリーンFリキッド規定の半分量を合わせた薬浴を開始。(小炭も一緒w)
こちらを半分量にしたのは寧々を見てて影響が強いと思われたからです。
で、ステルス君の薬浴経験から薬アレルギーになるのを防ぐため、24時間薬浴のつもりでいました。そのかわり薬はきっちり規定量を入れた上に合わせ薬にもしたわけです。
さすがは早期治療!
薬浴1日目ですぐに鼻先の白い腫れは綺麗に治ってしまいました。
しかも背びれの溶けも一目でわかるほどすぐに回復し始めてるではありませんか。
これは特に薬浴治療しないで換水のみにした場合は3週間ぐらいかかるものです。
これに気を良くした兎夢は、寿々も薬負けせずに元気そうだったので1日だけのつもりでいた薬浴をなんのきなしに2日間に伸ばしてみちゃったのです。
ところが2日目!
なんといったん綺麗に治っていた鼻先にどこかでみたことあるものが発生してました。
わわわっ!
白い水膨れです。
コレ....見た事あります。orz
(注:ヒゲが短いのはもともとです)
擦りむいた鼻がなかなか良くならない、と薬浴を続けていたらステルス君の鼻に発生しちゃった水膨れさんではないですか。
とりあえず
薬浴2日間から塩浴に移行して3日間様子見。
再度ヒレが溶けることがなかったので6日目に塩浴から、真水へ。
と水質が変わる度に大きく膨らむ水膨れ(^.^;
ステルス君の鼻とまったく同じです。
幸い水膨れができてるだけで身体は元気いっぱいです。
で、現在は本水槽に戻り。。。
本水槽に戻った直後はやっぱり水質の変化の影響で
水膨れがちょっと大きくなってましたが、
その後は水膨れが破れるような刺激がなかったので
安定した水質の中順調に回復して
現在はホラ、ご覧の通り綺麗な鼻先に戻ってます。
約一週間ほどで元通り。
ステルス君の時には無駄な薬浴を繰り返してしまい
かなり長引いたものにしてしまいましたが(数ヶ月も!)
今回はその学習もあったのでうまく治してあげることができました。
(身体の弱かったところが薬成分に反応して水質過敏となった
アレルギーの一種だと兎夢は思っています)
ということで、一歩間違えば人身御供なことされた寿々なのですが
無事大役を果たし、そして無事もとの健康体に戻れて
このように報告できる運びとなりました。
でも最初からもとに戻す自信と信念があったからやったことであり
軽卒な思いつきでやったことではないということを
知っておいていただきたいと思います。
あまり推奨できる事ではありませんでしたが、この件で
● 0.5%塩浴には殺菌力がないこと
●カラムナリス菌感染もエラ以外の場所で早期発見であれば
1日または2日の薬浴で治せること。
●薬浴に弱いと言われているコリドラスやクラウンローチの
24時間以上の薬漬けは「良くない!」ということ。
逆に薬に弱いと言われてるコリドラスでも1日なら
規定量おっけーだったこと。そして治せたこと。
等が臨床的経験により具体的に理解できたのでした。
今後は今までより“迷い”がちょっと少なくなって
治療方法を判断できそうです。
今はネット上でいろんな情報が手に入りますが
文献で読んでるだけではよくわからない具体的なことは
やはり臨床的体験が必要ではないかと思われます。
(病魚の環境や病歴や性格等により
治療法も変わってくることかと思われますしね)
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コメント
ひぇ~と言うのが、ルキノの実感です。やはり、もう、餌を食べれるのが不思議な時期であった事、薬浴に2種の薬品を同時使用していた事等、かなりのタイトロープであったと言うのがひぇ~の理由なんですが、今回の寿々ちゃんらの薬品G顆粒は2種の抗生剤(抗生物質)とリキットは着色剤と言う組み合わせですが、やはり薬品は一種と塩との組み合わせに限定した方が良いと思います。
細菌は抗生剤で殺菌する事を考えると、着色剤は余計な薬品では無いかと…。
それと、薬品アレルギーはルキノは?です。2種2匹がアレルギー?はちょっと引っかかり、一度《リンホシスチスウイルス》を調べて見てください。
ウイルスは抗生剤では死にません。
投稿: ルキノ | 2007/08/23 09:50
…うーん。ステルス君と寿々ちゃんに同じ症状が出るのは凄く気になりますね。ステルス君にあの症状が出始めたのがClaraさんの事件があった時。ステルス君はなかなか良くならず、ずっと菌かウイルスか何かを持ち続けていた。それが今回寧々ちゃんに感染。きっとこの何かは、クラウンローチに致命的な何かなんですよね。症状を見ると。
そして、一日にして寿々ちゃんに感染。…と考えると、本水槽、リセットしました?本水槽にはまだ魔物が住んでいる事になります。
しかもなかなか死滅しない何かが。
コリドラスは正直言って、強い魚だと思います。うちの子たちも、他の種には過酷な環境だった水質悪化のときも、みんな持ちこたえてくれています。
どうか、水草や砂、水の交換(本格的なリセット)をしてから寧々ちゃんをもどしてくださいね。
特に砂の中にはうじゃうじゃ悪い物が住んでいます。以前白い砂だった時、そう、まだ私の水槽で湧き水をやっていた時の事がここで繰り返されないよう祈っています。
投稿: ヒゲ | 2007/08/23 12:24
寿々さんが助っ人に入っていたのですか!
野球のように必要な時に必要な選手を起用されているようで何だかすごいです(寿々さん代打成功ですね)
今だからという訳ではないのですが、私は春先にクラウンを2匹同時に失ってしまいました。今回の寧々さんのような症状に白点も併発していて経験の浅い私は何もできず、3日と生かしてあげることができませんでした。同時期に過去ログでclaraさんのことも読んでいたので何となくお話できませんでした…。
今回寧々さんが良くなって本当に良かったと思っています。
投稿: ayamaru | 2007/08/23 19:59
ところで、兎夢さん……計算を間違えてませんか………5%では海水より濃くなってしまいますよ。淡水魚は生きてはいけませんし、海水魚でも、干物の下準備になってしまいますよ~(笑)
投稿: ルキノ | 2007/08/24 02:28
>ルキノさん
ひぇ~ですか(笑)
まぁ余計な事知らずに素直に魚達を信じて
やり切っちゃったって感じかな。
で、“合わせ薬”はこの薬(日動)のHPをみて
そこに書いてあったアドバイスに従いました。
(それぞれの規定量を合わせて入れろ、って書いてあるんですよ)
それと“リンホシスチスウイルス”はいろいろ読んでみましたが
(残念ながら写真は見つけられませんでした)
水泡という言葉以外あてはまるものはなかったので
違うと思います。
2匹が違う場所で結果的に同じことになったということは
逆に何が同じだったか考えると何かが見えてきます。
それらを考えた上での判断です。
それと前回ステルス君の鼻騒動の時、
何件か同じ症状のコリさんを持つ飼い主さん達から
メールをいただきましたが、
多数飼育してても他に移らず水換えする度に膨れる、という
まったく同じような症状で写真見ても同じでした。
現在のステルス君は鼻自体はまったく綺麗に治ってますが
やはり水換えの時の水質の変化にとても敏感になり
馴染むまで以前より時間がかかってます。
>ヒゲさん
ご心配おかけしてます。
あ、いやいやそんなミステリーちっくな
恐ろしいことではないです。
別な方のコメントにも書きましたが
今回の件につきましては二度あったことなので
逆に早く原因特定ができました。
クラウンローチだけが重症になるウィルスを
ステルス君が持ってて...なんてことではなく、
ただ単に底面濾過のポンプが老朽化により
ほとんど濾過不能状態に陥っていたことによる
カラムナリス菌被害です。
(外部濾過もあるので水質そのものはクリアでしたが
底の底にはかなりのものが溜まってました)
そしてうちが使用してる砂利の特性上、地面はいつも綺麗だけど
底面濾過不能となると底の底はすごいことになるのです。
なので穴掘りをするクラウンローチは他の種より特に
重症被害に遭いやすいのです。
同じカラムナリス菌でもクラウンローチ以外のメンバーには
対した被害を出していません。
魔物いませんから。たぶん。
でも菌はいろいろ居ますよね。
また条件が揃えば増えるでしょうし。
がんばります!
>ayamaruさん
そうだったんですか。
いや、亡くした直後っていうのはそういうこと
書けないものですし...
やっぱり患者がクラウンローチだとみなさん
「きっとダメだろうなぁ。。。」と思うことでしょう。
でも、生還しましたよ!
今回の件、振り返ってみればうちのメンバー全員が
それぞれの特技で寧々の為に協力をしてるんですよね。
え、Hoo?
ご高齢のHooは、この時期に体調も崩さず常に愛らしい
元気な笑顔を兎夢に見せていたことがHooの特技での協力なのですw
>ルキノさん
もうね。
ギャーーーーーー!って感じ。(何日も放置でしたね)
皆さんスミマセン!
大変重要な、かつ危険なミスでしたm(..)m
0.5パーセントです!
投稿: 兎夢 | 2007/08/29 23:13
随分、文章から兎夢さんの立ち直りが読めて、嬉しいです。合わせ薬浴の件ですが、今回の組み合わせには重複薬品の組み合わせは無いので問題は無いのですが、薬品に書かれている薬効だけを読んで、合わせ薬浴をされる方が居てはと書き込んだだけです。
(実は薬品濃度が2倍で魚を殺したなんて、話もありますから…。)
ウイルスの件はうちにいたジュリーが同様に水ぶくれ(鼻先)ができました。
随分調べてみましたが、培養により例のウイルス(商業ベースでの研究が進んでいて、意外と簡単にわかりました。)
が原因とわかりましたが、治療薬品等は見つける事はできませんでした。相手はウイルスの為、抗生剤は効きませんし、当該魚の抗体に期待するしかありませんが、幸い魚が死んでしまう事は無いのですが、アレルギーとしてしまうと、薬品治療や換水をためらう事が有ってはとの事で書き込みました。(換水せずに治療するとの書き込みもありましたが、当該魚は良いとして、他魚は他の病気を引き起こす可能性が有る為、本水槽では実施して欲しくは無いですね。)
文章で、病気や治療を書くと素人のルキノでも本が出来そうな位で、難しいのですが、自分で調べてて臨床するきっかけになればと常に思います。
投稿: ルキノ | 2007/08/30 01:58
>ルキノさん
合わせ薬なんて随分大胆なこと書いてありますよね。
あの辺りの文章を読むとエラ病に関しては日動も
苦戦してる感じが伺えます。
ステルス君の鼻の件につきましては、私の場合
原因がウィルスであっても細菌であっても
そのことよりも(それ以来)現在起こっている
“水質過敏症”の方を重要視しています。
なので今後の水換え、薬浴、には充分注意するつもりです。
逆にアレルギーと表現して自分に注意を促している状況なのです。
投稿: 兎夢 | 2007/09/10 01:24