魂の継ぎ木
先の記事にも書きましたが....
今回の闘病生活で一番の辛かった山場は寧々が餌を食べなくなり
みるからに“死に行く魚”になっていった時です。
そして小炭のことで一番辛かったときは↓この時です。
8月9日、小炭が消えてしまった日の深夜
やっと元気になった身体で水槽内をぐるぐる周り
一晩中小炭を探し続け....
....そして疲れ果てて沈んでいく夜明けの寧々。
寧々はこのままここで眠りました。
兎夢も一晩中眠れず、ずっと寧々を見ながら唸ってました。
『なんということになってしまったんだろう』
『小炭を信じてる寧々はどうなってしまうのだろう』
小炭と寧々のことを考えると言葉が出なくて「あぁぁぁぁ、、、、」とか
「うぅぅぅぅ、、、」とか唸ることしかできないのです。
寧々を想い、宙に浮いたままの小炭の魂と
小炭を信じながら小炭が居ない空間を見つめさまよう寧々の魂と
2匹の絆を信じてきた兎夢の困惑した魂と
この3つの魂が、一晩中手応えを探してさまよい続けた
とてもつらいつらい夜でした。
小炭の居ない朝を迎えガラス越しに寄り添う寧々と寿々。
寧々も寿々も見ていたのか小炭が居なくなったという異変には気づいていて
その日の夜の餌は2匹とも全然落ち着かず、ろくに食べませんでした。
というか外出から帰宅してすぐに餌をあげたら、2匹とも落ち着きが無くて
餌を食べようとしない様子で、初めて小炭が“居なくなってる”ことに
気づいた兎夢だったのです。
眠れない頭で唸りながら必死に考えました。泣く暇ありません。
さまよう3つの魂をどうやって救済すれば良いのだろ。。。
『突然消えてしまった寧々の希望は?』
『いったい寧々にどうしてあげたらいいんだろ』
一睡もせず考えあぐねた結果。
翌日、あらたなR.T.ブラックシャークを求めて2件のショップを訪れました。
が、どちらにも居ませんでした。
3件目は電話で問い合わせをしたらあっさり「居ますよ〜」と言われ
慌てて引き取りにいったコがこのコです。
ショップに入っていくら探しても、R.T.ブラックシャークの水槽は
見当たりません。あせる気持ちを押さえながらよ〜く見たら
ピグミーグラミーとなんちゃらバルブ系がわんさかいる水槽の中に
たった2匹だけR.T.ブラックシャークらしき細くて小さなものが泳いでました。
お腹がえぐれていておかしな色で栄養失調っぽくフラフラしています。
でも2匹の顔をじっと見て、すぐにこのコに決めました。
運命のコです。
元気になった寧々がアウト側に移動。
地味に大活躍してくれた寿々は、まんがいち寧々に細菌が残っていたら
再び感染の可能性があるのでまだ一緒にしないで本水槽に戻しました。
そして、このちっこいコをインタンクに入れたら
気づいた寧々が最初は
小炭だと思って喜び勇んで傍らに駆けつけました
が....
すぐに“違う!”と気づき、(よ〜く目で見るんですよ)
好意を見せながらの観察体勢に入りました。
小炭に対して見せたようなガラス掘ってまでそっちに行きたい仕草はせず
常にくっついていって観察をしています。
そう....寧々の頭の中はこうなったのです。
小炭たんはどこ?(寂)
↓
このコと小炭たんみたいに仲良くなれるかな!(希望)
この日の夜は小炭を探しまわることはしませんでした。
落ち着きを取り戻し、ごはんも爆喰いしました。
寧々の顔がかつてのClaraさんのような、ささやかな希望を追う顔になりました。
ショップであまりに痩せていて程度が良くないので半額にしてくれたうえ
「もしすぐに死んじゃったらもう1匹のコをあげますから」とまで言われた
すごく細くてちっこいコ。
しっぽは誰かに齧られていて下の方が欠けてます。
腹びれには丸い穴もあいてます。
でも絶対大丈夫。君は死んだりしない。
小炭のように立派なR.T.ブラックシャークにみんなで育ててあげる!
だからガンバれ!...ということでさっそくイソジン浴。
全然平気にこなし、インタンクに入って外側から大きな寧々がまとわりついても
動揺せず。さすがは小さくてもR.T.ブラックシャーク。
これから健康な身体作りをしてうちのメンバー達と仲良くなってもらおう。
小炭のしっぽは真っ赤な炎でした。
炎、燃やし過ぎて最後はジェットになって飛んでいってしまいましたが....
このコのしっぽは真っ赤な花になって欲しい。
2年経ったら美しい真っ赤な花を咲かせて欲しい。
8月9日の夜、手応え探してさまよった3つの魂を
ひとつにして将来真っ赤な大輪を咲かせて欲しい。
君は、魂の継ぎ木だよ。
まだちっちゃいけど大切な大切な“こえだ”です。
(うちにやってきた日に名前が決まったのは初めてかな)
小枝は8月10日にやってきて、
このままインタンクで約10日間ガッツリ体力作りをして
欠けていたしっぽも再生し(半透明だけど)こんな立派な身体になって、
晴れて8月20日に寧々と一緒に泳ぎました。
それが先日の“笑う寧々♪”の日です。
さて2匹の相性は?
2匹のドタバタ騒動はまた後の記事に....
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