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2007年8月の10件の記事

魂の継ぎ木

先の記事にも書きましたが....
今回の闘病生活で一番の辛かった山場は寧々が餌を食べなくなり
みるからに“死に行く魚”になっていった時です。

そして小炭のことで一番辛かったときは↓この時です。

70810sui01

8月9日、小炭が消えてしまった日の深夜
やっと元気になった身体で水槽内をぐるぐる周り

一晩中小炭を探し続け....

....そして疲れ果てて沈んでいく夜明けの寧々。

寧々はこのままここで眠りました。

兎夢も一晩中眠れず、ずっと寧々を見ながら唸ってました。
『なんということになってしまったんだろう』
『小炭を信じてる寧々はどうなってしまうのだろう』
小炭と寧々のことを考えると言葉が出なくて「あぁぁぁぁ、、、、」とか
「うぅぅぅぅ、、、」とか唸ることしかできないのです。

寧々を想い、宙に浮いたままの小炭の魂と
小炭を信じながら小炭が居ない空間を見つめさまよう寧々の魂と
2匹の絆を信じてきた兎夢の困惑した魂と

この3つの魂が、一晩中手応えを探してさまよい続けた
とてもつらいつらい夜でした。

70810sui02
小炭の居ない朝を迎えガラス越しに寄り添う寧々と寿々。

寧々も寿々も見ていたのか小炭が居なくなったという異変には気づいていて
その日の夜の餌は2匹とも全然落ち着かず、ろくに食べませんでした。
というか外出から帰宅してすぐに餌をあげたら、2匹とも落ち着きが無くて
餌を食べようとしない様子で、初めて小炭が“居なくなってる”ことに
気づいた兎夢だったのです。

眠れない頭で唸りながら必死に考えました。泣く暇ありません。
さまよう3つの魂をどうやって救済すれば良いのだろ。。。

『突然消えてしまった寧々の希望は?』
『いったい寧々にどうしてあげたらいいんだろ』

一睡もせず考えあぐねた結果。
翌日、あらたなR.T.ブラックシャークを求めて2件のショップを訪れました。
が、どちらにも居ませんでした。
3件目は電話で問い合わせをしたらあっさり「居ますよ〜」と言われ
慌てて引き取りにいったコがこのコです。

70810koeda01

ショップに入っていくら探しても、R.T.ブラックシャークの水槽は
見当たりません。あせる気持ちを押さえながらよ〜く見たら
ピグミーグラミーとなんちゃらバルブ系がわんさかいる水槽の中に
たった2匹だけR.T.ブラックシャークらしき細くて小さなものが泳いでました。
お腹がえぐれていておかしな色で栄養失調っぽくフラフラしています。

でも2匹の顔をじっと見て、すぐにこのコに決めました。
運命のコです。

70810nene02

元気になった寧々がアウト側に移動。
地味に大活躍してくれた寿々は、まんがいち寧々に細菌が残っていたら
再び感染の可能性があるのでまだ一緒にしないで本水槽に戻しました。

そして、このちっこいコをインタンクに入れたら
気づいた寧々が最初は
小炭だと思って喜び勇んで傍らに駆けつけました
が....
すぐに“違う!”と気づき、(よ〜く目で見るんですよ)
好意を見せながらの観察体勢に入りました。
小炭に対して見せたようなガラス掘ってまでそっちに行きたい仕草はせず
常にくっついていって観察をしています。

そう....寧々の頭の中はこうなったのです。
小炭たんはどこ?(寂)
    ↓
このコと小炭たんみたいに仲良くなれるかな!(希望)

この日の夜は小炭を探しまわることはしませんでした。
落ち着きを取り戻し、ごはんも爆喰いしました。
寧々の顔がかつてのClaraさんのような、ささやかな希望を追う顔になりました。

70811koeda02

ショップであまりに痩せていて程度が良くないので半額にしてくれたうえ
「もしすぐに死んじゃったらもう1匹のコをあげますから」とまで言われた
すごく細くてちっこいコ。
しっぽは誰かに齧られていて下の方が欠けてます。
腹びれには丸い穴もあいてます。

でも絶対大丈夫。君は死んだりしない。
小炭のように立派なR.T.ブラックシャークにみんなで育ててあげる!
だからガンバれ!...ということでさっそくイソジン浴。
全然平気にこなし、インタンクに入って外側から大きな寧々がまとわりついても
動揺せず。さすがは小さくてもR.T.ブラックシャーク。
これから健康な身体作りをしてうちのメンバー達と仲良くなってもらおう。

小炭のしっぽは真っ赤な炎でした。
炎、燃やし過ぎて最後はジェットになって飛んでいってしまいましたが....
このコのしっぽは真っ赤な花になって欲しい。
2年経ったら美しい真っ赤な花を咲かせて欲しい。

70811koeda01

8月9日の夜、手応え探してさまよった3つの魂を
ひとつにして将来真っ赤な大輪を咲かせて欲しい。
君は、魂の継ぎ木だよ。
まだちっちゃいけど大切な大切な“こえだ”です。
(うちにやってきた日に名前が決まったのは初めてかな)


小枝は8月10日にやってきて、
このままインタンクで約10日間ガッツリ体力作りをして

70822koeda_3

欠けていたしっぽも再生し(半透明だけど)こんな立派な身体になって、
晴れて8月20日に寧々と一緒に泳ぎました。
それが先日の“笑う寧々♪”の日です。

さて2匹の相性は?
2匹のドタバタ騒動はまた後の記事に....


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実は...の秘話。

前回の闘病記では、ここぞ一番の手を打たなければならない 窮地に
追い込まれた感じで終わってましたが、 実は今回の闘病生活の中で
兎夢が一番の大窮地に追い込まれた場面は もっと前にありました。

それはずっと読んでた方には薄々わかるかと思いますが7月30日、
寧々がとうとう何も食べなくなってしまってから2日目の日です。

70731nene

ブログに載せてる画像は兎夢自身の士気を煽るため、
そして絶望より希望を見つめたいため、
比較的寧々が元気そうに見えるものばかり載せていました。
実際はもっとずっと酷く「あぁぁぁもうダメかもしれない」と
思ったこと数知れず。
でも小炭に励まされ、踏ん張って踏ん張ってがんばってきたけど
生き物が“食べ物を食べなくなったら”お終いです。
死へのカウントダウンが始まったようなものですね。

実際見てる間に寧々は死に行く魚になって行きました。
この時は本当に辛かったです。
とにかく今の寧々に何をしてあげられるか、必死でした。

70730sui11

そして、必死の中で考えた策がコレでした→
前回はこのことを書くのをためらったので省いてしまいましたが結果が良と出たので報告いたします。

食べる意欲を失ってしまった寧々に仲間の肌に触れて生きる実感を再び感じとって欲しかったのです。しかしすでに小炭の体力にはまったくかなうわけもなくチキノシされた瞬間に逝ってしまいそうな細々とした命の灯火でした。


70730sui12_2なのでそっと黙って静かに寄り添ってくれる健康な仲間、寿々をピックアップしました。
これはある意味大変危険な行為です。
なぜなら寧々の病気が細菌感染症だからです。
寿々にも移る可能性が多いにあるのです。

でも兎夢は過去のカラムナリス菌騒動の時の記憶に賭けました。クラウンローチのエラに取り憑いたカラムナリス菌は悪夢だったけどクラウンローチ以外の小炭やステルス君たちにはちょっとヒレが一部溶けただけで特に重大なことにはならなかったのです。
もしまんがいち移ってしまってもすぐに治療に入れば寧々ほどのことにはならないできっと軽くすむだろうと信じました。いや、移っても絶対治してやる!との決意と覚悟です。
そしてもうひとつ、情報が多くなってきて混乱し始めていたので現在の寧々がいったい何の菌で苦しんでるのかもう一度再認識したかったということもあったのです。

つまり一緒にした寿々がもし感染してもヒレの一部が溶ける程度で済めば去年と同じカラムナリス菌であるということが兎夢的に確信できるのです。

まぁそんなわけで、同期生の寿々にそっと入ってもらいました。(ステルス君を選ばなかったのは、薬物アレルギーの疑いがあってまんがいちの時の薬浴に不安があったためです。)

期待通り静かに寄り添う寿々。

70731sui13 久しぶりに仲間の感触。
寧々も喜びました。
動けない身体で這うように身を寄せてました。

そして、再び餌を食べる意欲を見せて兎夢が必死にうるとらみじん切りの赤虫やブラインシュリンプを口に入れてやってその後の薬浴につながったことは先に述べてる通りです。

寿々に入ってもらったのは、24時間だけです。最初からそのつもりでした。
幸いこの24時間で寧々が食べる意欲を見せてくれたので本当に良かったです。

70802jujuで。
24時間後に取り出した寿々をさっそく虫眼鏡と画像を駆使して身体チェックです。

さっそく背びれの一部が溶けていました。
まだ軽症ですが去年のステルス君とまったく同じヒレの症状です。
これでやっぱりカラムナリス菌なんだ、と確信。
と同時に0.5%濃度の塩浴には殺菌力がないことが立証されました。

これは具体的に言うと、病魚が出てとりあえず塩浴しようとした時、病気かどうかわからない仲間達も一緒くたに入れてしまうと結果的にはみんな移ってしまうということです。
みなさん気をつけましょう!

そしてもっと驚いたことに寿々の鼻の辺り(ヒゲの付け根あたり)が白くプチっ!と腫れてたのです。虫眼鏡でよーく観察しないとわからないレベルですが、確かに入れる前にはなってなかった様子が発生していました。
「ええーーー!そんなとこ怪我してたの?!」
そういえば寿々はヒゲが短くなっちゃってたんだっけ。
長い事見慣れ過ぎていて怪我してる実感がなかったのです。
ちょっとビビリましたが何はともあれ早期治療です。

で、さっそくアウトタンクでグリーンFゴールド規定量とメチレンブルー系の
グリーンFリキッド規定の半分量を合わせた薬浴を開始。(小炭も一緒w)
こちらを半分量にしたのは寧々を見てて影響が強いと思われたからです。
で、ステルス君の薬浴経験から薬アレルギーになるのを防ぐため、24時間薬浴のつもりでいました。そのかわり薬はきっちり規定量を入れた上に合わせ薬にもしたわけです。

70806juju01さすがは早期治療!
薬浴1日目ですぐに鼻先の白い腫れは綺麗に治ってしまいました。
しかも背びれの溶けも一目でわかるほどすぐに回復し始めてるではありませんか。
これは特に薬浴治療しないで換水のみにした場合は3週間ぐらいかかるものです。
これに気を良くした兎夢は、寿々も薬負けせずに元気そうだったので1日だけのつもりでいた薬浴をなんのきなしに2日間に伸ばしてみちゃったのです。


70806juju02

ところが2日目!
なんといったん綺麗に治っていた鼻先にどこかでみたことあるものが発生してました。

わわわっ!
白い水膨れです。
コレ....見た事あります。orz
(注:ヒゲが短いのはもともとです)

擦りむいた鼻がなかなか良くならない、と薬浴を続けていたらステルス君の鼻に発生しちゃった水膨れさんではないですか。


70808jujuとりあえず 薬浴2日間から塩浴に移行して3日間様子見。
再度ヒレが溶けることがなかったので6日目に塩浴から、真水へ。

と水質が変わる度に大きく膨らむ水膨れ(^.^;
ステルス君の鼻とまったく同じです。
幸い水膨れができてるだけで身体は元気いっぱいです。



で、現在は本水槽に戻り。。。

70814juju

本水槽に戻った直後はやっぱり水質の変化の影響で
水膨れがちょっと大きくなってましたが、
その後は水膨れが破れるような刺激がなかったので
安定した水質の中順調に回復して
現在はホラ、ご覧の通り綺麗な鼻先に戻ってます。
約一週間ほどで元通り。

ステルス君の時には無駄な薬浴を繰り返してしまい
かなり長引いたものにしてしまいましたが(数ヶ月も!)
今回はその学習もあったのでうまく治してあげることができました。
(身体の弱かったところが薬成分に反応して水質過敏となった
 アレルギーの一種だと兎夢は思っています)

ということで、一歩間違えば人身御供なことされた寿々なのですが
無事大役を果たし、そして無事もとの健康体に戻れて
このように報告できる運びとなりました。
でも最初からもとに戻す自信と信念があったからやったことであり
軽卒な思いつきでやったことではないということを
知っておいていただきたいと思います。

あまり推奨できる事ではありませんでしたが、この件で

● 0.5%塩浴には殺菌力がないこと
●カラムナリス菌感染もエラ以外の場所で早期発見であれば
 1日または2日の薬浴で治せること。
●薬浴に弱いと言われているコリドラスやクラウンローチの
 24時間以上の薬漬けは「良くない!」ということ。
 逆に薬に弱いと言われてるコリドラスでも1日なら
 規定量おっけーだったこと。そして治せたこと。

 等が臨床的経験により具体的に理解できたのでした。
 今後は今までより“迷い”がちょっと少なくなって
 治療方法を判断できそうです。

 今はネット上でいろんな情報が手に入りますが
 文献で読んでるだけではよくわからない具体的なことは
 やはり臨床的体験が必要ではないかと思われます。
 (病魚の環境や病歴や性格等により
  治療法も変わってくることかと思われますしね)

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笑う寧々♪

ほら、笑ってるでしょ!

70820nene01

いや、まぢ笑ってるんですよw
だって↓なんですもの!

続きを読む "笑う寧々♪"

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皆さん、ありがとうございますm(..)m

皆さん、とてもたくさんの暖かいコメントをありがとうございます。
まだレスをつけていませんが全部しっかり読ませていただいてます。
泣いたり笑ったりしながら何度も何度も読ませていただいてます。
アクティブな方々も密かに(?)ロムっててくださってた方々も
みんな一緒に気持ちを共有しあった実感がありとても感動しました。
そして素敵な言葉もいっぱいあってこの悲しみを乗り越える糧となりました。
本当にありがとうございます。

早く「寧々の闘病生活」の続きを書かなければ(一番大事な所だし)とか
小炭亡き後どうやって寧々と過ごしているかとか....
寧々の驚くべき喰いっぷり回復ぶりもお見せしたいとか...
いろいろあるんですが、ご心配おかけしてる皆様にともかく
小炭がつないでくれた小さな命の素晴らしい回復ぶりを見ていただきましょう。

70812nene04_2 70814nene
テトラミン、赤虫、の他、ブラインシュリンプを1日に数回あげています。
それはそれは、まるで「掃除機かい?!」ってぐらいな見事な食べっぷり!
3週間ずっとじーーーっとしてたので寧々的にもリハビリしてるらしく
時々ピューピューしたりクイッククイックな切り返しの練習もしています。
っていうかいきなり動きが早くなったのでカメラも大変!
兎夢の方もリハビリ(撮影技術の)が必要みたい(^.^;

70812nene06 70812nene03
ハンノミで遊ぶ寧々。時々鼻で転がしたりしていますw
こんな風に兎夢の目の前でよく遊びます(^-^)

70815nene01 70815nene02
後ろ(横も)を振り返ることもできなかったのに
現在は以前のように自由自在に泳げるようになりました。

70815nene03 70815nene04
寧々の体力を考えてe-ROKAシャワーは時々手動でスイッチ入れてますが
スイッチ入ると喜んでシャワー下に飛び込んでいき楽しそうに急流で遊びます。
たくさん食べるので体力に関してはすでに無問題のよう。

ボロボロだったしっぽもご覧の通り再生中です↓70814nenetail
色はまだないけどね。

そして下顎までパカパカ動いてた超速なエラの動きも
だいぶ落ち着いてきてエラの完全復活も思っていたより早そうです。

よくぞエラ病から生還してくれました。
生きてる喜びを体現してる寧々を見ながら感無量な兎夢なのです。

ありがとう。
ホントにありがとう。



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近況報告

すみません、前回の闘病記から続けて現在まで一気にアップしようと
思っていましたが、思ってもいなかった展開となり
精神の動揺が激しくてこの2日間パソコンを立ち上げることさえ
困難な状況でした。が、コメント欄にみなさんの真剣なアドバイスや
励ましをいただいてることに心からの感謝をのべてとりあえずの
近況報告をしなければいけないと思い、まだ落ち着いて正式な記事を
きちんと書く事はできないのですが現在の状況をお伝えしたします。

まずは。
みなさん、驚いてください!感動してください!
そして誉めてやってください!
一ヶ月間の闘病生活を続け、エラ病末期で、
最後の策に出なければならないほどの重体だった寧々は
8月3日から8月7日までの間に大好きな仲間達の励ましの中、
3度のイソジン浴治療に無事耐え抜き、現在は真水に生還して
リハビリ生活を始めています。
(なぜイソジンか、なぜ3回か...は後の記事に詳しく書くつもりです)

70810nene01_3
昨夜の寧々↑

しかし一ヶ月間に渡るカラムナリス菌の猛攻を受けていたので
エラ内部の損傷はかなりのものと思われ、そこにイソジンの副作用も
加わり機能障害がまだ残っています。(エラの動きはまだ速いのです)

でも真っ先に口が治ったので、それはそれは目を見張る食欲でw
それに伴いしっぽや背びれが回復再生を始めています。

まだカラムナリス菌の生き残りはいるのか?とか
イソジンによるダメージはどの程度のものなのかまだまだシビアな観察を
必要としてる中、当の本人はまさに日々絶好調になっていく様子で、
3週間前から4日前まで、すべてのヒレを畳んで達磨状態となりまともに
泳げもしなかったというのに本日は急流昇りまでして遊んでいました。

さて。
長く辛く苦しい日々を必死に耐えてきた寧々ですが
こんなに楽になって“自分的治った!状態”になったら
まっさきにやりたいことはなんでしょう?

そう、まずは“たらふく食べること
そして....


小炭におもいっきり
    
チキノシしてもらうこと!
    

きっと闘病中はこのふたつのことばかり考えながら
必死に耐えていたのでしょう。

なので爆喰いした後は、すごい騒ぎで小炭にアピールします。
もしかしたら小炭が約束してくれてたのかもしれませんね。
「良くなったらいくらでもチキノシしてあげるから」って。
今までガラス越しで満足していた寧々がガラスを掘る勢いで
小炭を呼びまくります。

達磨寧々がかすかにしっぽを振っただけでもすっ飛んできて
寄り添い励ましていた小炭です。
この一ヶ月間ひたすら寄り添ってきた小炭です。
この様子を見たらなんと思うことでしょう。

そう。
兎夢もこの元気になった寧々を見てとても嬉しいけど
誰よりも嬉しいのは小炭のハズ。
そんな小炭はガラスを掘る騒ぎで自分に触れたがっている
寧々の様子を見てどうするでしょう。

そう。
小炭はこう思いました。


よしっ、
    
小炭がそっちに行ってやる!

   

そして飛びました。

寧々のところに行って思いっきりチキノシして回復を喜び合い
寧々を誉めてあげたかったから....渾身の力を込めて飛びました。
すべてのヒレを広げた寧々が待ってます。

以前バケツの蓋抜けジャンプをした経験がある小炭は、
あの時みたいに何度も何度も隙間を狙って飛びました。
小炭はひとたび自分の意志で決めたことには呆れるほど熱心で
情熱的です。
小炭の情熱の前では兎夢が作った蓋なんて藁の役目にもなりません。


8月9日の夜。
奇しくも寧々に寄り添ってちょうど一ヶ月になった日、
この一ヶ月間一度もジャンプをしなかった小炭がこの日、
寧々がめざましい回復を見せ、
すべてのヒレを広げる事ができたこの日、
兎夢がたった4時間留守にしていた間に小炭は飛び.....

.......残念なことに寧々のところには辿り着けなかったのです。
そして兎夢の帰宅も間に合いませんでした。


すみません。
この先、まだうまく書けません。
気持ちの整理はだいぶついてきたのですが
まだ文章にうまく打つことができません。

ただ、ただ、小炭をかわいそうな奴と思わないで欲しい。と思う。
この事実を知った瞬間は激しく動揺して
とても悲しい出来事に思うかもしれないけど
もうとりかえせない今となってる以上、こう思ってやって欲しい。

「約束を果たしに自ら飛んだえらくかっこいい奴」

思わず銅像作っちゃおかってぐらい魚界の中では
世界一かっこいいレッドテールブラックシャークな小炭。
生涯一貫して強くて優しくて賢こくて、
情熱的な小炭は最後まで情熱的だった。

と。

70710kosumi06_2

  

寧々をここまで回復させることができたのは
うちのコ達が自分たちで培った「仲間同士の絆の力」と
“皆さんの暖かい励ましや丁寧なアドバイス”のおかげさまです。
皆さん本当にありがとうございました。

ものすごく辛くてのたうちまわるぐらいなんですが
小炭から預けられた寧々の命を....まだまだ完全ではない寧々を
これからも必死に守っていきます。

 

コメントレスが少し遅れるかもしれませんがご了承ください。

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寧々の闘病生活(13)

思いの外、長期になってしまったつらそうな薬浴。
自分で食事ができなくなるほど弱って来た寧々を見て、
効いてないと思われる薬を抜いて塩水のみに変えました。

が、しかし、そのとたん、

カラムナリス菌の猛反撃に遭いました。

70801nenetail2_3 70802nenetail_2 70803nenetail2_2
※ヒレの様子がわかりやすく見えるよう
 コントラストを調節してるので色見は実際と異なります。

それまでの進行具合よりずっと強烈な進撃です。
薬....効いてなかったんではなく、いくらかは押さえていたのですね。
それにしても一晩ですごいことになってしまいます。
自分でまともに餌も食べられない状況なのにこの勢いは...w(゚ロ゚;)w
このままでは寧々の余命が割り出されてしまう。(_ _。)

そしてとうとうその夜(8月2日深夜)、、、、
フと見ると寧々はボロケたヒレで浮いてました。
横になってプッカリ浮いてたり
逆さまになって浮いてたり...
キスゴムに頭を突っ込んでたり...
でも、ずーっと見てるとたまに動きます。
そしてまたどこかにひっかかったまま動かなくなる。

「いよいよ旅だってしまうのか...orz」

それでは静かに看取る事にしよう...とずっと水槽の前で見守りました。

70803sui01_21時が過ぎ....2時が過ぎ....3時が過ぎ....
寧々はまるで宇宙遊泳してるかのように漂よってはひっかかり、、、を続けてます。
これで逝ってしまうのなら、なんだか気持ち良さそうではないか....
写真を撮る勇気はなかったけどやっぱり1枚だけ、と闇に向かってシャッターを切ったのがこの画像です。
その後、寧々の気持ち良さそうな宇宙遊泳を見ながら眠くて先に旅立ってしまったのは兎夢の方でした(^.^;

そして翌朝。沈んだ寧々を見るのは切ない、、、と思いながら恐る恐る水槽を覗くと...
70803sui02_3

普通に寧々がうずくまってました(^.^;
しかもよく見ると今までに見た事ないぐらいのブラインシュリンプのフンがいっぱい落ちてます!

え、え、え!

あの宇宙遊泳はプランクトン喰いだったの!?
なんと寧々は3時間以上も漂いながら自分でブラインシュリンプを食べたのです。
しかも今思えば(^.^; (体力をまったく使わないで)遊びながら食べていたような。
カラムナリス菌の猛反撃を受けながらも寧々本人は、薬が抜けた塩水が随分楽に感じるようで酷いチックも止まり、口を腫らしながらもピンセットやスポイトから積極的に食べ物を摂る意欲を見せていました。
そしてとうとう自分で編み出した(?)遊泳方でそれなりに遊びながら(?)
夜中じゅう、ブラインシュリンプを自分で食べていたのです。

なんとも微妙な追いかけっこ!
薬が効くと菌もいくらかおとなしくなるけど寧々も薬で弱ってしまう。
なので薬をやめると寧々が元気に向かうけど、その元気の栄養を吸って菌の方も
追いかけるように爆進してくる。
うぅ、、、追い越されてはダメだ、、、

もはやチャンスは今夜しかないかも。

ということで、寧々を蝕み続けてるカラムナリス菌の進撃をなんとかすぐに止める手段をうたなければならない時だと判断したのですが迷ったのはその方法です。
お日様作戦...なんて悠長なこと言ってられません。

つづく。

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がんばってるよ!

更新がないと心配してしまいますよね(^.^;

みんなでがんばってます。

70806sui01

まだまだ全然安心できる状態ではありませんが
寧々も小炭も本当によくがんばっています。

70806sui02

今、ちょっと多忙につき詳しい記事を作る暇がまだないので
無事な姿をとりあえずお伝えしておきます。


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陽気な小炭

入れ子水槽で、薬浴中の寧々を毎日励ましてくれてる小炭ですが
思いの外兎夢も、その明るく陽気で賢い仕草にとても励まされています。

辛そうな寧々だけを見ていたら、胸が張り裂けちゃうところだけど
すぐそばで陽気な小炭が結構笑わせてくれるのですよ。

70724kosumi02
↑7月24日、寧々と遊べなくなってたいくつしてる小炭

遊び好きで夜行性っていうのは知っていたけど
餌も夜中にしか食べないってのは知りませんでした。
明るいうちにあげると、邪魔そうにどかしたりします(^.^;

70724kosumi01
↑カメラで遊んであげたらその気になってる小炭

消灯後の深夜は、すっかり色抜けして「おまえ誰だよ!」ってぐらい
白くなってて笑っちゃいますが(背びれと腹びれと尻びれは色抜けしない)
寝ぼけた感じや貧血に見えるなんてことはなく
まさに“変身”して絶好調!!! な感じで遊びまくってます。

兎夢が無造作に足し水をじょぼじょぼ入れたりすると
小炭は“何の音?!”とばかりそこにすっ飛んできて確認したりします。
壷や土管も飽きないよう毎日置き方を変えてみたり組み合わせたり....
レイアウトが変わったりすると普通警戒したりしそうなんですが
「あ、なんかちがーう!」と目を輝かせたりする小炭なのです。
そして、あちこちの穴から出たり入ったり顔出したり回転したり(笑)

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寧々の闘病生活(12)

7月31日、テトラミンを食べなくなって3日目。
小さな粒の餌も試してみたけどやっぱり食べませんでした。

でも水温計を入れたら先っちょの赤い所を追う仕草をしたので
食欲がないわけではないらしいと気づき、
慌ててナイフをよーく研いでから、うちで冷凍した赤虫
 (メチレンブルーで消毒してから1日水道水で飼育した赤虫を
  うちの冷凍室で急速冷凍してまたすぐに解凍したもの)

固い頭としっぽの先はカットして、ボディをうるとら小さくみじん切り。
それらをひとつずつピンセットで摘んで寧々の口元に持っていくと
兎夢を見ながら立ち泳ぎをするので唇に触れないよう注意深く
口の中に落としてあげる、という方法でなんとか2匹ぶんぐらいの赤虫を
食べさせることができました(^o^/

70731nene01

これがまた手先の器用さが問われるような仕事でして....
4年間に渡るHooへのピンセット給餌の実績がなかったら
できなかったかもしれない。。。。
ちょっとでも唇にピンセットが触れてしまうと寧々は痛いらしく
飛び上がって逃げるし、逆に早く離し過ぎるとうるとらちーさな
赤虫みじん切りはどっかに流れされていってしまう。
もう全身汗びっしょりになりながら神経を集中しまくって
ピンセットの先に挟むと見えなくなってしまうようなブツを
寧々の口元に運んではフっとタイミングよく離す.....という作業を
繰り返しました。
寧々はヒトでいう“そしゃく”みたいなことができないらしく
ちょっと大きいと口から出てしまいそれを再び吸い込むことが
なかなか困難らしい。っていうかできない。

でも、お互いの呼吸が合ってうまくいくとおいしそうに食べてるように
見えるのですごく嬉しい。
ただ、お互い(兎夢は→)神経と体力(←寧々は立ち泳ぎの体力)を
すごく使うのであまりたくさんは食べさせることができない。

なので、その後はブラインシュリンプを大量にスポイトで吸っておいて
寧々の口の中めがけて静かに噴射させてみたらマグマグっと
食べてる(飲んでる?)様子が見られました。

水槽内に散らばったブラインシュリンプは水槽内が塩水なので
そのままずっと泳ぎまわってます。
もしかしたら寧々が自分で食べるかも、いや食べれなくても
勝手に口に入るだろ!ってぐらいしばらくの時間大量に泳がせておきました。
(でも奴らは脱皮をして水を汚すので定期的に換水をします)

70731nene02

翌朝寧々槽を見たら、赤虫のフンとブラインシュリンプのフンがあって

........小さな幸せ感じてしまいましたよ。

でもね、寧々はブラインシュリンプより赤虫の方が断然嬉しいみたい。
そうだよ...“嬉しいこと”があったんだね。
これから毎日汗びっしょりになりつつもこの作業を続けていこうと思います。

70731nene03

ところで、peach。
そこからは浮上できませんってば!

......e-ROKAに吸われてるのかと思ったよw

peachは、寧々と小炭と兎夢と.....あと、固唾を飲み込み過ぎた方々を
ほんにゃり和ませてくれますね。 

遠慮なく笑ってやってくださいw

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寧々の闘病生活(11)

今までの経過です。

70718nene01小炭もやってきて精神面も安定し、開封したばかりのグリーンFゴールド&塩浴を続けて5日間ぐらいは良い調子だった寧々。
7月18〜19日あたりは背びれも時折立ち、自分でテトラミンを食べることができてました。


70719sui_3    

が、しかし....元気そうに見えてるもののしっぽの白い部分は、じわじわと拡大していき、相変わらずエラの動きはマッハな速さなうえエラからは繊維ゴミのようなものがひんぱんに出てくるようになりました。

 

70721nene コレは出窓側に水槽を置いたら良く見えるようになったのですが、半透明のゴミのようなものが寧々槽の方にしょっちゅう漂っているのです。最初は寧々 が下痢をしてるのか?と思いましたが細い繊維ゴミのようなものも多く、良く見てると寧々が動くたびにエラから出てきてるようなのです。

 

細菌によって壊死した組織が剥離してるのだろうか.....。
そしていかにも「エラの中がウザいよ〜!」と言ってるかのようにエラ病の特徴としてよく記されている“時折狂ったように泳ぐ”というやつを頻繁に繰り返すようになりました。
更に、良く見ると口も白く腫れてきてるような......


70725nene そこで7月23日、グリーンFゴールドに見切りをつけて一旦真水に戻すことにしました.......が、ここから目に見えて酷い状況になっていきました。

とてもしんどそうで、ほとんど動けません。
小炭と直に遊ぶことができなくなりました。
餌もピンセットで口元デリバリーです。

 

70725nene02動かない寧々にガラス越しに寄り添う小炭→

本当は薬浴に対してのインターバル(真水期間)を少しとるつもりでいたんだけどあまりに酷いので、7月24日思い切って再び薬(今度はメチレンブルーが入ってるニューグリーンF)&塩を投入。

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7月25日のしっぽ

しかし、メチレンブルーは“しみる”のだろうか?
かなり慎重に投入してるんだけど途中、落ち着きが無くなったり暴れたり....
あげく、また激しいチック症状が発生して規定量の半分も入れることができない。

そしてこれで以前の“チック症状”が薬に対する拒絶反応だったのか....
ということがわかった感じ。


70724kosumi11一方小炭の方はしっぽもすっかり綺麗になり一緒に遊べなくなった以上無駄に薬浴を続けることもないのでアウト側小炭槽の方だけ真水に戻しました。

←薬抜きに入れた炭で遊ぶ小炭



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7月25日、ガラス越しでも小炭の寄り添いは寧々にとって随分安らぎ効果を与えているようなので、まだ本水槽には戻しません。そのかわりパワーを持て余してる小炭のためにサンドバックお友達のpeachが応援に入りました。



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←急に“現れた”peachにびっくりしてる二匹w

 


 


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まだ落ち着かないpeach→

ツルツルなガラスの床や壁に困惑してるものの、しばらくしたらいつものようにマイペースなpeachです。


70725sui05 peach効果なのか、薬が効いたのか....この夜はいつもより動けて顔見せに来た寧々でした。

「あれ、peachタン?」って言ってるのかな。

 

 


70727sui01 7月27日、薬に期待したものの、、、
しかし...残念ながら良くなるかな?という兆しが見えたのはたった1日だけで、エラの速さも口の腫れもしっぽの様子も日々悪くなっていってしまう。
規定量入れられないということで細菌の方に耐性ができてしまうのだろう。しかも口の腫れを見てるとアレルギー症状も発生してるように見える。


70727sui02 寧々が時折エラが痛いのかウザいのか“狂ったように”泳いで危険なのでブロックや壷を撤去しました。(というか本人も入らなくなった)

 

 


70727sui03 ついでに小炭の方も壷や土管を撤去して水草に変えたので、深夜でもこの二匹はお互いの姿を確認するたびに寄り添ってます。

寧々の辛そうな姿を見ると心が痛んでキリキリ音がするぐらいですがこの二匹の寄り添う姿で、なんとか兎夢もがんばらねば、と思えるのです。

 

70728sui01 7月29日、とうとうテトラミンを食べなくなりました。




70728sui02 今までは動けなくてもピンセットでテトラミンを1枚ずつ口元に運んであげれば少しは食べていたのに、まったく食べません。


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口の腫れも酷いし、こんなしっぽになってしまいました。
組織が“ほどけていくように”剥がれていきます。
この繊維ゴミのようなものはすでに二週間前から見てるので、
しっぽより先に身体の内部がこうなっていたと思われます。

70730sui01
7月30日、効かない薬でこれ以上苦しめることができないのでひどく弱ってるけど5パーセント塩水のみに変えました。

この“変える”という変化も今の寧々にとってはすごいダメージを与えるもののハズ。。。。

 

70730sui02

今となっては、すぐそばで常に励まし続けてくれる小炭だけが頼り。

食べられなくなってからは“狂ったように泳ぐ”ことさえできず、時々身体を小刻みに震わせています。
時折そうやって“動く寧々”を見て遊べるのかと思うのか小炭が喜こんで飛んできます。

ともかく、塩水切り替えを乗り切って今はひたすら耐えてる寧々です。
寧々も小炭も兎夢も諦めていません。

...でもあの元気だった寧々が自分の管理の悪さでこんな目に遭ってるかと思うと
とても辛いです。

今回の発病の原因は、底面濾過のポンプが老化で吸い上げ力がかなり弱っていたこと。
(インペラの掃除もしないですでに4年目でした)
アレルギーになったステルス君の鼻を治すために少量換水を続けてるうちに
砂利奥の掃除が不行き届きになっていたこと。
寿々がなんだかなかなか大きくならない気がしてたのでココ最近少し多めに
餌を投入してたこと。
そして水温が上がった。
これらの要因でなるべくして発生したと思っています。


クラウンローチは白点病でも100パーセントの生還率ではないのに、
エラ病で生還した記事はどこにも見当たりません。
あの大きなClaraさんでもイチコロでした。
薬に負けない立派なウロコを持つ金魚でさえエラ病だと生還率低し。

なんとしてでも助けようと思ってがんばってきたけど、
苦しむ期間を伸ばしてるだけなのか.....と、正直言って困惑もします。

そしてずっと観察してきてこれ以上、薬を使うのは無理だと判断しました。
理由は、菌を撲滅させるだけの量を一度に入れられない。
さらに長期利用するとアレルギーを起こす。
「クラウンローチが薬に弱い」と言われてる所以が具体的にわかった次第です。

つづく。

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